PIVIO & ALDO DE SCALZI / HAREM SUARE (ORIGINAL SOUNDTRACK) : CAM (CAM 494630-2) 1999
さて、本作はふたりの最新作となる映画『HAREM SUARE』のサントラ盤で、イスラム教に基づいた、婦人たちが住むハーレムを舞台に展開される話のようですが、思わず日本で言うところの「大奥」を思い出してしまいました。音楽の方は、打ち込みによるシンセから豪華ストリングスまであり、標準的なサウンド・トラックという感じですが、1曲だけ元マティア・バザールの歌姫アントネッラ・ルッジェーロがヴォーカルで参加しており、その楽曲が飛び抜けて素晴らしい仕上がりになっています。アラビア語で歌うアントネッラの歌唱に聴き入ると、まるで自分が遥か彼方の地にいるような錯覚におちいってしまいます。
1957年ジェノヴァ生まれのアルドー・デ・スカルツィは、御存知ニュー・トロルスのリーダーであるヴィットリオ・デ・スカルツィの実弟です。アルドーは70年代、ピッキオ・ダル・ポッツォやチェレステといったアヴァンギャルド・ロック・バンドで活動をして来ましたが、80年代に入るとニュー・ウェーヴ・バンドであるスコルティッラ出身のピーヴィオ(1958年ジェノヴァ生まれ)と組んで、地中海音楽に根ざしたアンビエント・トランス・ミュージックを演奏するユニットを作りました。90年代に入ってから2枚のアルバムを発表しますが、95年にはユニット名を”トランチェンデンタル”とし、『DEPOSIZIONE』('95)、『HAMAM-IL BAGNO TURCO』('97)、『RINASCIMENTO』('98)と順調に活動を続けています。ふたりは96年以降、映画音楽も作りはじめ、『COLD GROUND』('96)、『ELVJS & MERILIJN』('97)、『VIOLA BACIA TUTTI』('97)、『LA SECONDA MOGILE』('98)、『L'ODORE DELLA NOTTE』('98)、『I GIARDINI DELL'EDEN』('98)、『ORMAI E' FATTA!』('99)と、貪欲に仕事をこなしています。98年にふたりが担当した『LE FAREMO TANTO MALE』では、ヴィットリオ・デ・スカルツィがヴォーカリストとして参加しており、久しぶりに彼の美声を聴くことが出来ました。