AVION TRAVEL / SELEZIONE 1990|2000 : SUGAR (1576142) 2000
記念すべきサンレモ音楽祭の50回大会で見事優勝の栄冠に輝いたアヴィオン・トラベルの歴史を簡単に紐解くことが出来るベスト盤です。 90年にオパス・アヴァントラのアルフレード・ティゾッコのディレクションによりアルティス・レーベルからデビューして以来、現在までに7枚のアルバムを発表して来ていますが、その中の5枚の作品からのピックアップにサンレモ音楽祭優勝曲の「SENTIMENTO」を加えています。 彼らの紡ぎだす音楽は一貫しており、ジプシー音楽のような無国籍なものが主流といって間違いないのですが、前作でアート・リンゼイがプロデュースしていたように、さすが90年代に登場したバンドらしくかなりソフィスティケイトされています。 個人的にはやはり「SENTIMENTO」や、98年のサンレモ音楽祭
(Piccola Orchestra) AVION TRAVEL / CIRANO : SUGAR (SGRD 77824) 1999
ルーツを聴かせるジプシーの旅路 
最近NHKの「イタリア語会話」でオン・エアされたり、サンレモ音楽祭での無気味なパフォーマンスで一躍注目されているアヴィオン・トラヴェルの活動歴は意外と長く、1980年にカセルタで結成されています。ジャンルにとらわれない自由な発想で音楽を演奏している6人組の彼等は、数々のフェスティヴァルやオムニバス・レコードに参加し、独自の「インターナショナル」サウンドを確立して行きます。主だったところでは『ITALIA WIVA VOL.1』(83年)、『CASERTA COMPILATION』(84年)、『LIVE AT THE BLUE ANGEL』(86年)などのオムニバス盤、「マグナ・グレーシャ・フェスティヴァル」(84年)、「テンデンシャス」(85年)などへの参加があります。87年にサンレモ音楽祭の「ロック部門」へ「SORPASSANDO」で参加し、正式にデビューします。アヴィオン・トラヴェルの音楽は、そのバンド名が示すような無国籍的なロックだけにとどまらず、イタリアの民族音楽をも内包したちょっとお洒落なスィング・ミュージックを聴かせてくれるのが特徴です。 さて本作は10枚目のアルバムになりますが、スタジオ録音としては3年ぶりで、98年のサンレモ音楽祭で審査員特別賞を獲得するなど注目を浴びた後なので、かなりの力作になっています。プロデューサーはブラジル生まれのアメリカ人、巨匠アート・リンゼイが担当しており、彼の豊かな経験に裏打ちされた繊細な仕事ぶりが、本作の完成度をより高めています。タイトル曲「CIRANO」はアンニュイな佳曲で、私の大好きなナインス系のコード進行が満載で、ついついリピートして聴いてしまいます。純粋な民族音楽はちょっとヘビーだと思っている人には、適度にスパイスのきいたこのアルバムを聴いてトラヴェルってみるのはいかがでしょう。