ENZO AVITABILE



ENZO AVITABILE & MORY KANTE / O-ISSA : CNI (CNDL11130) 1999

WAIT!! 本当にモリ・カンテと演っちゃった!

 エンツォ・アヴィタビーレの3年ぶりの新作は、CNIレーベルに一貫して流れているアンビエントな雰囲気で一杯です。 彼の流れるようなポリリズム・サウンドから溢れる第三世界感は本作でも健在で、目を閉じて聴いてみると、音の向こうからまた違う音が聞こえてくるような、鏡に鏡を映し込んだような感覚を味わうことが出来ます。 彼は最初からこういったワールド・ミュージックを演奏していたわけではなく、どちらかと言えばジャズ・ミュージシャンのような感覚のアルバムを出していましたが、CNIレーベルへの移籍をきっかけに現在のようなサウンド指向に変貌を遂げています。 

WAIT!! 前作『ADDO'』を紹介した時に、「モリ・カンテやユッスー・ンドゥールなどのアフリカ勢がお好きな方なら、きっと満足出来るリズム感だと思います。」と書いたら、本作では本当にモリ・カンテとデュエットが実現してしまいビックリです。 アフリカでは超スーパースターであるモリ・カンテは、私もニュー・ヨークのセントラルパークでライヴを観ましたが、プログレのような信じられないサウンド・メイキングと地響きのようなグルーヴの凄さに圧倒された記憶があります。 本作ではモリ・カンテとのデュエット2曲に、アレッサンドロ・コッポラとの共作が1曲、さらにボーナスでモリ・カンテとの2曲のリミックス・ヴァージョンも収録された14曲入りです。 このリズム感は、秋の夜のドライヴに最適?



ENZO AVITABILE / ADDO' : CNI (CDMRL 431392) 1996

WAIT!!  エンツォ・アヴィタビーレは、アーキーというバンドを経て75年にプログレ・バンドのオザンナのメンバーと共にチッタ・フロンターレを結成し、唯一のアルバム『EL TOR』を発表しました。チッタ・フロンターレではフルート、サックス奏者として参加しており、特に目立った存在ではありませんでしたが、ジャズ・ロックに近い演奏はとても印象的でした。 その後アヴィタビーレはソロ活動を開始し、82年にアルバム『AVITABILE』でデビューします。しゃがれた声と、彼のルーツであるR&Bミュージックがほどよく溶け合ったポップな作品を7枚出した後、アンビエント・ミュージックを得意とするCNIレーベルに移籍します。本作は移籍後の2枚目になりますが、冒頭のイントロが始まった途端に映画「硝子の塔」をほうふつとさせる、まるでエニグマのようなサウンドに圧倒させられました。演奏で参加しているワールド・ミュージック・バンドのアグリカンタスの影響もあるのでしょうか、非常にハイ・テンションなワールド・アンビエント・ミュージックを聴くことが出来ます。「私は白人音楽でも黒人音楽でもない、第三世界の音楽を演奏しています。聴き込むにつれて、それが少しずつ理解してもらえるでしょう」という彼自身の言葉が、一番的確に本作のサウンドを物語っています。モリ・カンテやユッスー・ンドゥールなどのアフリカ勢がお好きな方なら、きっと満足出来るリズム感だと思います。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE