CLAUDIO BAGLIONI



CLAUDIO BAGLIONI / ACUSTICO : COLUMBIA (COL 499911 9) 2000

WAIT!! 存在そのものが神話のアコースティック・ライヴ!

 クラウディオ・バリョーニの、とうとう7作目のライヴ・アルバムが発表されました。90年代以降も精力的な活動を続け、ほとんど毎年のように新作を届けてくれている彼ですが、最近はオリジナル作品を出すと次はその時のツアーを収めたライヴ盤を出すというペースを守り、今回もしっかりと魅力的な選曲で聴かせてくれます。少し前からバリョーニのファンクラブからのメールが勝手に届くようになり、このアコースティック・ツアー「SOGNO DI UNA NOTTE DI NOTE」の情報もメールで知らされましたが、当初予定されていたスケジュールは全24公演のようでしたが、結局8月に1日、9月に4日も追加されて計29公演が行われたようです。

 シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をもじったツアー・タイトルも面白いものですが、真夏に行われるコンサートを、聴衆と共に大いに楽しもうというバリョーニのコンセプトが伝わって来る、今までで一番優しい内容だと思います。選曲は“いつもどおり”と言わんばかりのもので、得意のメドレーを含む全33曲を歌い切ります。最新作『VIAGGIATORE SULLA CODA DEL TEMPO』からも4曲が披露されており、新曲「TITOLI DI CODA」も素晴らしい弾き語りのバラードです。メンバーはパオロ・コスタ、ギャヴィン・ハリソン、ダニーロ・レアなど強者ばかり。 曲が進むに連れてぐいぐいと引き込まれて行きますが、ふと気がつくとどこがアコースティック・ライヴなのか分からないほど演奏と聴衆が盛り上がっています。真夏の夜なのに、もっと熱いライヴだったことでしょう。



CLAUDIO BAGLIONI / VIAGGIATORE SULLA CODA DEL TEMPO : COLUMBIA (COL 495070 2) 1999

WAIT!! クラウディオ・バリョーニの、オリジナルとしては95年の『IO SONO QUI』以来の新作が届きました。 特に日本ではここ最近、ルーチョ・バッティスティピーノ・ダニエーレの人気を押さえてひとり勝ちしている感もありますが、本作発表前後のイタリア本国での熱狂も大変なものでした。 根っからのファン・サービスぶりが有名なバリョーニですが、今回も凝ったジャケットにプラスしてCD−ROM仕様にするなど相変わらずのようです。 私自身はこの新作のレコーディングに入ったニュースを聞いて、ズッケロのプロデューサーとして有名なコッラード・ルスティーチがアレンジで参加していることが個人的に嬉しかったのですが、12曲中6曲に関わっており、今までのバリョーニのCDとは違った聴き方で楽しめました。 コッラードもオフィシャル・ホームページの中で、このセッションに参加出来たことが非常に自分にプラスになったとコメントしていましたが、ズッケロのように目茶苦茶やっていた時とは勝手が違うようで、少々固くなったコッラードの顔が目に浮かぶようです。 ジャーニーのドラムで、元ジャズ・ドラマーのスティーヴ・スミスの参加も注目です。 タイトルはまさに世紀末や千年代の終わりを示唆したものですが、環境破壊や夢見る時代の終焉など、いかようにも解釈出来るのが彼らしい作り方 であり、さながらタイム・マシンのような雰囲気をもかもし出しています。 WAIT!!

 内容的には、最初は「どっかで聴いたことのあるメロディーばかりだ」と残念に思いましたが、冷静になって考えてみると、それこそが上記の理由で重要なことなのだと分かりました。 今では愛聴盤となっています。 限定盤のボックス・セット(COL 495070 5) では、裏に各曲の歌詞が印刷された12枚の未発表写真集が2000年のカレンダーになっており、コア・ファンは必携のアイテムと言えそうです。



CLAUDIO BAGLIONI / A-LIVE : COLUMBIA (COL 491807 2) 1998

NOW LOADING!! クラウディオ・エンリコ・パオロ・バリョーニは1951年5月16日にローマで生まれました。農民から憲兵になった父リッカルドとパートタイム・デザイナーの母シルヴィアのもとで厳格に育てられたクラウディオは、小さい頃からピアノを習い始めます。6才の時にジュースをギャラ代わりに初めて人前で歌を披露し、翌年にはギターを手に入れビートルズを練習します。67年からRCAのオーディションを受け始め、69年にはたくさんのデモを録っています。70年に”夏のディスク・フェスティヴァル”参加曲「UNA FAVOLA BLU」でデビュー、この時からプロデューサーのアントーニオ・コーギオとのコラボレーションが始まります。70年代のRCA時代はアレンジャーにヴァンゲリスやルイス・バカロフを起用したり、変形ジャケットなどで話題になりましたが、どのアルバムも「珠玉の名作」ばかりでこのスペースでは書ききれないほどのクォリティを誇っています。78年にCBSに移籍後もますます魅力的な作品と精力的な活動で、いつも私たちを楽しませてくれています。 さて、本作はCD3枚組というヴォリュームで4時間弱にも及ぶライヴ・アンソロジーになっています。過去に出たライヴ5作品(!)からまんべんなく選曲された2枚と、98年の「DA ME A TE TOUR」が収録された1枚という構成で、どちらかと言えばバリョーニ初心者向きの内容でしょう。本作の意義は「ライヴで聴かせる歴史」という薄っぺらいコンセプトを越えて、「アレンジも歌唱力も衰えてないし、むしろどんどん良くなってるでしょう」と言いたいのではないかと思えることです。そして彼の音楽に対するひたむきさが顕著にあらわれた最新曲「ARRIVEDERCI O ADDIO」では、もはや神聖化した究極とも言えるバリョーニ風ゴスペルを堪能することが出来ます。



CLAUDIO BAGLIONI / DA ME A TE : COLUMBIA (COL 666040 2) 1998

NOW LOADING!! クラウディオ・バリョーニのミニ・アルバムです。シングルのチャートに入って来ていたので、てっきりシングル盤だと思い手に取りましたが、何と44分もの時間に12ヴァージョンの展開があり、それら全てが1曲として繋がっているというコンセプトになっており、相変わらずのバリョーニのセンスにいきなり脱帽してしまいました。イントロの後に登場する歌入りの「DA ME A TE」が本作のキー・ソングとなっていて、「民族風」、「インスト」、「メタル調」、「オーケストラ」、「コーラス隊」、「マーチ」とさまざまな形に変わりながらも、それぞれがちゃんと息吹を持って鳴り響いて来ます。ありがちなリミックスとかロング・ヴァージョンといったものでは無く、全て独立してきちんと作られており、バリョーニの細かさと誠実さが受け取れます。バリョーニのライヴには付き物の応援歌「ALE-O O」も再現され、他に歌物の「UN AZZURRO LUNGO UN SOGNO」、朗読の「PRIMA DEL CALCIO DI RIGORE」など、本当に多彩で飽きが来ません。聴き終わる頃には延々繰り返されたメロディーが頭にこびりつき、まるで映画のリフレイン・シーンを観ているような錯覚までします。



CLAUDIO BAGLIONI / DIARIO : BMG (74321 538232) 1997

NOW LOADING!! クラウディオ・バリョーニの未CD化音源を収録したBMG時代のベスト盤が発売されました。私の持っているBMG時代のコンピレーション盤だけでも9枚目となりますが、今回だけは内容が濃いようです。初CD化音源は、まず72年のサンレモ音楽祭での入賞曲であるジャンニ・ナッザーロの「NON VOGLIO INNAMORARMI MAI」、ララ・セイントポールの「SE NON FOSSE FRA QUESTE MIE BRACCIA...」をカヴァーしており、71年のサンレモ音楽祭・入賞曲からはドン・バッキーの「BIANCHI CRISTALLI SERENI」、マリーザ・サンニアの「COM'E' DOLCE LA SERA」、アル・バーノの名曲「13 STORIA D'OGGI」をそれぞれカヴァーしています。これらは当時のサンレモ・コンピレーション盤のために録音されたものですが、全く他人の作品を歌うバリョーニの珍しい歌唱を聴くことが出来る貴重な一枚でしょう。



CLAUDIO BAGLIONI / ANIME IN GIOCO : COLUMBIA (COL 487741 2) 1997

NOW LOADING!! えーっ、もう出たの? と、誰もが疑うべく速さで登場したクラウディオ・バリョーニの新譜です。96年暮れに最新ライヴ・アルバムを出したばかりで、心の準備の出来ぬ間に全20曲入りのヴォリューム、信じられません。しかしこのアルバム、どうやらタイトル通り「遊び心」で作ったようで、おそらくTV(又はヴィデオ)用に作られた架空の番組のサントラのようです。ジャケット内はその番組の楽しそうな場面が153枚もの写真で飾られ、ゲストもコッチャンテアラン・ソレンティ、オリエッタ・ベルティからデヴィッド・ソウル(何で?)まで満載。肝心の楽曲は、全曲他人の曲を歌っており、ソレンティ自身の曲「FIGLI DELLE STELLE」はアレンジもそのままで浮遊感がとても心地好く、「ロッキーのテーマ」が飛び出したりと、ほとんどケンタッキー・フライド・ムービーの世界なのでは、と勝手に想像しています。CDだけでも十分楽しめますが、是非ヴィデオで見てみたいものです。



CLAUDIO BAGLIONI / ATTORI E SPETTATORI : COLUMBIA (COL 486650 2) 1996

NOW LOADING!! 96年末ぎりぎりに発売されたクラウディオ・バリョーニのなんと4作目のライヴ・アルバム。彼はいわゆるカンタウトーレ(シンガー・ソングライター)の大御所ですが、最近やはりリリースのペースが遅くやきもきしていた所、95年に久々のオリジナル盤『IO SONO QUI』を出し、そのツアーを収録したアルバムをこんなにも早く届けてくれ、実は面食らってしまった程です。彼はいわゆる熱唱型のシンガーですが、アレンジを巧みに変えながらの昔ながらの曲を聴くと、最後にはやはりクラウディオの”歌の上手さ”が残るようです。名曲「ポスター」なんかはあまりにもアレンジを変え過ぎた為、聴衆が一緒に歌えないという程です。



CLAUDIO BAGLIONI / NOTTE DI NATALE : BMG (74321 452172) 1996

NOW LOADING!! クラウディオ・バリョーニのシングルですが、なんと待望の未CD化音源です。以下は私がマーキー誌の『イタリアン・ロック集成』に書いた原稿です。

バリョーニ・ファン必携の本シングルは72年4月に発売された。フランコ・ゼフィレッリ監督の映画『ブラザー・サン・シスター・ムーン』のイタリア語版のサウンド・トラックで、作曲は映画音楽の大家であるリズ・オルトラーニの手によるもの。この作品を聴くことが出来たのは最近のことであるが、20年以上も前にこの映画を観たときのことを鮮明に思い出させられた。未だ子供だった時分であっても、主人公の偽善でなく報酬のためでもない奉仕の心にとても感銘を受け涙を流した覚えがある。バリョーニの声もきっと多くのイタリア人の心をつかんだに違いない。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE