ANDREA BOCELLI



ANDREA BOCELLI / SOGNO : POLYDOR (POCP-7389) 1999

WAIT!!  アンドレア・ボチェッリは1958年9月22日にトスカーナ地方のラジャテイロという村で生まれました。早くからオペラに興味を持ったという彼は6才の時からピアノを習いはじめ、フルートなどの管楽器の勉強もしていたということは、幼いながらにオペラ(音楽)に対して相当の欲望があったに違いありません。しかしながら12才の時にサッカー・ボールを頭に受け、脳内出血を起こし、視力を完全に失ってしまいます。その後の彼は障害に屈することなく健常者以上に努力をし、遂に法学博士号を取得し弁護士として働き始めましたが、歌への興味を失わずに夜はピアノ・バーで歌うという生活を送っていました。92年にズッケロが「ミゼレーレ」のデモ・テープ用のテノール・シンガーを探していたため挑戦したところ見事にパスし、パスしたどころか「ミゼレーレ」の本番でズッケロとデュエットしたルチアーノ・パヴァロッティをも唸らせてしまい、とうとうデビューへのきっかけを手に入れてしまいます。 さて、本作はポップスを歌うアルバムとしては前作『ロマンツァ』から3年ぶりの3枚目になりますが、彼はオペラなどのクラシック曲を歌ったアルバムも2枚出しており、現在は各音楽フィールドから注目されています。本作のプロデュースとアレンジは前作同様ルーチョ・ダッラジャンニ・モランディなどでお馴染みの名手マウロ・マラヴァージが担当していますが、私の知っているマウロのアレンジの中でも最もシンプルかつ正当的なもので好感が持てます。

WAIT!!  特筆すべきは98年に公開されたアニメ映画「キャメロット(THE MAGIC SWORD)」のサントラ盤(写真:AMCY-2815)の中で歌われたセリーヌ・ディオンとのデュエット曲「THE PRAYER」が収録されていることですが、サントラ盤の方ではセリーヌとアンドレアと別々にソロで歌った2曲が収められていましたが、こちらはシングルにもなった二人のデュエット・ヴァージョンとなっています。またポルトガルの歌姫ドゥルス・ポンテスや我らがエロス・ラマゾッティとのデュエット曲も話題でしょう。作家陣にはエンニオ・モリコーネやセルジョ・バルドッティ、エンツォ・グラニャニエッロなどの名前が見られますが、その中に前作で大ヒットした「タイム・トゥ・セイ・グッバイ(TIME TO SAY GOODBYE)」を書いたフランチェスコ・サルトーリも名を連ねています。彼はつい最近までレ・オルメのメンバーとして活躍していました。より一層大きな存在となったアンドレアの方向性を占う重要な本作は、私個人としてはギリシャ出身の世界的シンガーである元アフロディテス・チャイルドのデミス・ルソスに近い印象を受けました。彼にも是非デミス以上に世界的な成功をおさめて欲しいと思います。亡き父に捧げられた「A MIO PADRE」はシンガーとしては珍しく歌の無い朗読だけの曲ですが、それがむしろ我々の胸の内にしっかりと届き、深い感動のもとアルバムを締め括ってくれます。



ANDREA BOCELLI / ROMANZA : PHILIPS (PHCP-11051) 1996

NOW LOADING!!  ようやく日本でも紹介されたアンドレア・ボチェッリは、58年生まれの盲目のシンガーです。世界的なテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティズッケロに見出され94年にデビューしたボチェッリは、その年のサンレモ音楽祭新人部門で優勝し、イタリアン・ポップス、カンツォーネの名曲を満載したアルバムを2枚発表した後、『VIAGGIO ITALIANO』というアリアやナポリターナなどを歌ったアルバムを発売し、それがヨーロッパ中で大ヒットとなりました。このアルバムは初期2枚からのベスト盤となっていますが、ボチェッリのテノール・ヴォイスを活かした見事な曲ばかりで感動ものです。94年のパヴァロッティ&フレンズ・コンサートで共演したジョルジアや、95年の「舞踏会の夜」ツアーで一緒だったジョン・マイルズをゲストに迎えたり、アンナ・オクサもカヴァーしたルーチョ・ダッラの名バラード「カルーソー」など、まるでクラシックのアルバムの如く心に残ります。


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