エロス・ラマゾッティの3年ぶりのアルバムが発売されました。前作『STILELIBERO』があまりにもお金をかけ過ぎたような大作だったので、本作の「元に戻った」ような状態は非常に歓迎出来ます。1曲目の「UN ATTIMO DI PACE」から透き通った風のような疾走感が気持ち良く、あの名盤『ムジカ』の時のような期待感に胸が膨らみます。本作でもエロスは全曲の作詞・作曲にたずさわっており、アルバム全体のテーマはどうやら「私小説」のようです。エロスはデビュー以来、多少アイドル的な人気で騒がれて来ましたが、ここに来て大人の男性として初めて“家族や友人に対する愛”について歌っています。前作以降、母親を亡くし、友人であるアレックス・バローニを亡くしたことなどの全てが本作には反映されており、本作はこのふたりに捧げられています。ファースト・シングルとなった「UN'EMOZIONE PER SEMPRE」はバイク事故で亡くなったアレックス・バローニのことを歌った曲です。
プロデュースは前作同様、エロスとクラウディオ・グィデッティが担当しており、アレンジはもはや巨匠と化したチェルソ・ヴァッリが担当しています。今回もギターをマイケル・ランドーが弾いてますが、このギターだけわざわざロスに録音しに飛んだり、ストリングスはロンドンのアビーロードで収録したりと、相変わらずお金はかかっているようです。エロスの母親のことを歌ったその名もずばりの「MAMARA'」は意外と陽気だった母の性格のような曲で、娘のアウローラのことを歌った「CANZONE PER LEI」は本作で最も熱のこもったミドル・バラードとなっています。なによりも、ジャケットに映るエロスの笑顔がとてもさわやかで好感が持てます。 尚、同時にスペイン語盤も発売されています。
EROS RAMAZZOTTI / STILELIBERO : BMG (74321 792232) 2000
すでに王者の風格? 完成度はいかに!
エロス・ラマゾッティの4年ぶりのオリジナル・アルバムが到着しました。 その間に新録によるベスト盤やライヴ盤を出すなど、精力的に活動を続けて来た彼ですが、最近妙に落ち着いて来たなというのが率直な感想です。 特に2000年のサンレモ音楽祭に出場して3位に入賞したジャンニ・モランディの「INNAMORATO」、そしてそれを収録したアルバム『COME FA BENE L'AMORE』を全面プロデュースした成果が、本作にはっきりと反映されているようです。 その時の良きパートナーであったクラウディオ・グィデッティがプロデュースに立ち、他にチェルソ・ヴァッリ、イエスの「ロンリー・ハート」でおなじみのトレヴァー・ホーンなどがアレンジャーとして参加しています。 参加ミュージシャンは、西海岸チームがジョン・ロビンソン、ネーザン・イースト、マイケル・ランドー、スティーヴ・フェローン、ディーン・パークス、グレッグ・フィリンゲインズなど、懐かしいAORの覇者たちが勢揃いしており、イタリアサイドではマウリツィオ・ファブリツィオを筆頭に、フィオ・ザノッティなど強者を起用しています。
96年の『DOVE C'E MUSICA』と比べると、リズムを強調した曲やメロディーのシャープな曲が少なく感じるためか、やや小粒な印象を受けますが、決してクォリティが低いわけではなく、大人のシンガーへの脱皮をはかった意図が良く見える作品だと言えるでしょう。 今回は最近「BELIEVE」の大ヒットで一世を風靡したシェールとのデュエット曲「PIU' CHE PUOI」が収録されていますが、とてももの悲しい雰囲気を持ったバラードとなっています。 なんと最後の「PER ME PER SEMPRE」では、オーケストラをアル・シュミットに録音させるという豪華さ。 さらに本作はCD-ROM仕様にもなっており、バイオグラフィー、ディスコグラフィー、写真集に加え「FUOCO NEL FUOCO」のビデオ・クリップもフル収録されているお徳用盤となっています。 最近エロスのファンになったかたには絶好の資料となることでしょう。 ジャケットがちょっと「カリブの海賊」っぽくて笑えます。
EROS RAMAZZOTTI / EROS LIVE : BMG (74321 623782) 1998
エロス・ラマゾッティは1963年10月28日にローマ郊外のチネチッタで生まれました。元歌手の父親の影響で音楽には小さい頃から親しんでいましたが、81年に新人の登竜門の”カストロカーロ”に出場します。その後DDDレーベルと契約し、82年に「AD UN AMICO」でデビューします。このシングルは全く売れなかったため、エロスは心機一転ミラノに移り住みDDDレーベルのもとでレナート・ブリオスキとチームを組み、作曲に没頭します。この頃のエロスはコッチャンテなみのパーマをかけた長髪でしたが、85年のファースト・アルバム『CUORI AGITATI』ではすでに今のスポーツ刈りになっています。サンレモ音楽祭には84年の「TERRA PROMESSA」、85年の「UNA STORIA IMPORTANTE」と出場し、さらに86年にバラードの「ADESSO TU」で遂に優勝を勝ち取りました。その後順調にアルバムとツアーを重ね、最高作と名高い『DOVE C'E MUSICA』は全世界で600万枚を越える大セールスを記録しています。 さて、本作はベスト盤『EROS』に合わせたワールド・ツアーから収録された、彼にとって2作目のライヴ・アルバムです。このツアーは98年3月4日のアトランティック・シティを皮切りに、12月2日のミラノに至るまで90回以上の公演数で文字通り世界中を回りましたが、7月4日・5日のミュンヘン公演がライヴ・レコーディングされました。生ギターをつま弾きながら歌うシーンに始まり、段々とハードになっていくところはお約束の展開と言えるでしょう。ヒット曲満載とはいきませんが、とても聴きやすく何度でもプレイヤーにかけてしまいます。特筆すべきはデュエット曲が85万枚も売れた相方のティナ・ターナーが登場したり、ジョー・コッカーとのデュエット曲「DIFENDERO」が収録されていることでしょう。ジョー・コッカーはこの曲を97年の自身のアルバム『ACROSS FROM MIDNIGHT』で歌っており、今回のデュエットはコッカーの最新ベスト・アルバムにも収録されました。次の目標はマイケル・ジャクソンとのコラボレーションだというエロスのばく進は当分止まりそうにありません。
EROS RAMAZZOTTI / EROS : BMG (BVCP-6112) 1997
イタリアを代表するアーティストにまでなったエロス・ラマゾッティの新録によるベスト・アルバムです。大ヒットした前作と同じメンバーを使い、全く同じテイストによるアルバムで、昔の曲も新鮮な気持ちで聴くことが出来ます。85年のデビュー・アルバムから前作『ムジカ』までの7枚のオリジナル・アルバムからまんべんなく選曲されており、デビューのころの曲は全く別の曲のようにアレンジされていて、すっかり大人の雰囲気になったエロスの歌いっぷりが堪能出来ます。注目すべきは、大曲「MUSICA E'」が今話題のアンドレア・ボチェッリとのデュエットになってより壮大さを増していることと、ティナ・ターナーとのデュエットも入っていることでしょう。その他新曲も2曲収められていて、おなかがいっぱいになる76分です。
EROS RAMAZZOTTI / DOVE C'E MUSICA : BMG VICTOR (BVCP-987) 1996
イタリア以外の国でも確実なファンを持つ実力派シンガー、エロス・ラマゾッティ。自転車をトレード・マークにした本作もお約束のイタリア語盤とスペイン語盤の2種類で登場。随分のりが良いと思ったら、L.A.のミュージシャンの起用でした。ヴィニー・カリウタ、ネイザン・イースト、マイケル・ランドー、レニー・カストロそしてウンベルト・ガティーカと来ればもう音の想像が付くはずです。しかし、エロスの歌はそれを越えてびしびしと胸に染み入ります。シングル・カットされた「PIU BELLA COSA 〜もっとうつくしく」は本当に素晴らしい楽曲です。国内盤が出ていますので購入しやすいでしょう。お薦めです。