MARIO FASCIANO



RICK WAKEMAN & MARIO FASCIANO / STELLA BIANCA ALLA CORTE DI RE FERDINANDO
: MP RECORDS (MPRCD 027) 1999

WAIT!!  イエスのキーボーディストであるリック・ウェイクマンについては、あまりにも有名過ぎるのでここでの紹介は省きますが、相方のマリオ・ファシアーノはナポリ生まれのドラマーです。67年にロック・バンドに参加しますが、すぐに単身イギリスへと旅立ちロンドンでの武者修行を3年間続け、69年にイタリアに戻り解散間近のビート・バンドのロジャーズに参加した後、イタリアン・ロックの雄、イル・バレット・ディ・ブロンゾの創立メンバーとなります。マリオは数回のライヴ演奏に参加しますが、バンドがRCAと契約するころには脱退しており、TV番組や演劇用のアレンジャーの道に進んでいます。70年代はラッファエッラ・カーラやジュフレ・ブラザーズ、エンツォ・チェルーシコなどのバック・バンドで働き、『DRIVE IN』、『DOMENICA IN』、『UNOMATTINA』などのTV番組専属のアレンジャーとして活躍しながら、ナポリの主要アーティストたち(ピーノ・ダニエーレエンツォ・アヴィタビーレなど)や、キース・エマーソンとのセッションを経験します。85年にブラジルのギタリスト、イリオ・デ・パウラのアルバム『AMICALE』に参加したことが、彼にとって再び外国へと目を向けさせる要因となりました。89年にリック・ウェイクマンとの初デュオ作『フェルディナンド四世の宮廷黒騎士』を録音しますが、当時は誰もマリオのことを知らず、「この人誰?」という会話が飛び交っていました。WAIT!!

 さて、本作は10年ぶりに再びリック・ウェイクマンと組んだデュオ第二作になります。リックの繊細なキーボードさばきも相変わらず素晴らしいのですが、ここではやはりイタリア語で歌うマリオのヴォーカルに耳が行きます。決して上手いヴォーカルではないのですが、まるでナポリターナを歌っているような朗々とした節回しが心地よく聞こえます。ゲストにはなんとバンコのロドルフォ・マルテーゼがアコースティック・ギターで参加しており、また作詞でマリオ・カステルヌォーヴォやバンコのフランチェスコ・ディ・ジャコモも参加しています。ジャケットに描かれたイラストも美しく、最も輝いていたころのイタリアン・ロックをほうふつとさせてくれる好盤と言えるでしょう。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE