ENZO GRAGNANIELLO / OLTRE GLI ALBERI : SUGAR (SGR D 77825) 1999
1954年10月20日ナポリ生まれのエンツォ・グラニャニエッロは、10才の時よりギターを習い始め、77年には最初のバンドであるバンキ・ヌォーヴィを結成し、NCCPやゼジなどのようなナポリターナに根ざしたフォークを演奏していました。83年にファースト・アルバム、85年には自分の住む街にある道の名前から取った『SULLA TRINITA' DEGLI SPAGNOLI』を発表しますが、ピーノ・ダニエーレ調の素朴な演奏にのせてトニー・チッコに似た優しい声で歌うエンツォの曲はどれも涙無しには聴けない哀愁のメロディーを持っています。特にセカンドでのマーク・ハリスによるシンセは私好みの音でした。86年には名曲「GIACOMINO」が”ルイジ・テンコ賞”で優勝し、90年代に入ってからはナポリ方言で歌ったアルバムを2枚出し”ベスト方言ソング”を受賞しています。その後は自身のアルバムの発売と並行してミア・マルティーニやアドリアーノ・チェレンターノ、アンドレア・ボチェッリなどに曲を提供して作家としての地位も築きました。 本作は8枚目のアルバムですが、プロデュース&アレンジは元々プログレ・バンドのルーナ出身で、ピーノ・ダニエーレでの演奏経験の長い名キーボーディストのジョー・アモルーゾが担当しており、シンセたっぷりで格好良い演奏が楽しめます。オルネラ・ヴァノーニとデュエットした99年のサンレモ音楽祭出場曲「ALBERI」の他、なんとコーラスでジャルディーノ・デイ・センプリチが参加しており、そのジャルディーノのドラマーであるトミー・エスポジートがプログラミングで参加するなど話題性もたっぷりと言えます。現在はずいぶんとダミ声に変わってしまったエンツォですが、哀愁美は全く失われていません。まだあまり開拓されていない中堅どころの代表格と言えるでしょう。