JOVANOTTI



JOVANOTTI (LORENZO LIVE) / AUTOBIOGRAFIA DI UNA FESTA : SOLELUNA (542 972-2) 2000

WAIT!! なぜか涙ものの、超人気ラッパー・ライヴ!

 ジョヴァノッティの壮絶なライヴ盤が登場しました。 DJ出身のメロディアスなラッパーということで、歌の上手い下手よりもリズミカルな歌い方とある種の教祖的な雰囲気にのまれそうですが、なぜか全編に渡って“あたたかさ”に満ちており、決して“歌もの”でないにも関わらず目頭が熱くなって来ます。 特に観客の熱狂が相当なもので、ほとんどの曲をジョヴァノッティと合わせて歌っているところは、クラウディオ・バリョーニのライヴと同等の感動を与えてくれます。

 30曲近い選曲のうち、大ヒットした最新作『CAPO HORN』からは10曲も演奏されており、観客の熱狂も1曲目の「UN RAGGIO DI SOLE」からいきなり最高潮に達しています。 前作『L'ALBERO』からも4曲が選曲され、その他ジョヴァノッティの代表曲が矢継ぎ早に繰り広げられます。 彼のベスト盤『RACCOLTA』を持っていれば、そのうちの10曲が演奏されたことが分かるでしょう。 ラストで新曲の「FILE NOT FOUND」では、ニューウェイブ調の豪快なロック・サウンドを聴くことが出来ます。 メンバーはずっとジョヴァノッティを支えて来た不動の顔ぶれで、ベースのサトゥルニーノが最高のプレイを披露しています。 オレンジの匂い付きの紙を使った84ページの特大パンフレット封入で、更にCDを購入した人だけが入れるIDの入ったインヴィテーション・カードも入ってます。 ジャケットも特殊仕様になっており至れり尽くせりですが、2枚組という高いお金を払っても、十二分に元の取れる充実の作品だと言えるでしょう。 毎日聴くと元気になれます。



JOVANOTTI (LORENZO 1999) / CAPO HORN : MERCURY (546 170-2) 1999

WAIT!!  3兄弟の末っ子であるローレンツォ・チェルビーニことジョヴァノッティは、1966年9月27日にローマで生まれました。初級中学校時代には既に音楽とデザインについての素質が頭角を現します。成長するにつれ音楽への想いは強くなり、14才の時にラジオ・フォックスで最初のDJの仕事につきました。なかなか成功へのきっかけが無かった彼は、87年の夏についに「ラジオDJ」局のプロデューサーであるクラウディオ・チェッケットと出会います。ラジオDJにおいてジョヴァノッティは、水を得た魚のように生き生きと働き、87年の大晦日には8時間に及ぶDJ番組をオン・エアするなど一気に人気を獲得します。ほどなくチェッケットのプロデュースにより、シングル「TEENAGERS」「QUALI 1..2..3.. CASINO」「SIAMO O NON SIAMO UN BEL MOVIMENTO?」、アルバム『JOVANOTTI FOR PRESIDENT』を発表しデビューしました。翌89年にはヴァスコ・ロッシを皮肉ったロックン・ロール「VASCO」でサンレモ音楽祭に出場し総合で5位に入賞するという快挙を成し遂げましたが、当時の人気度から言うと当然の結果だったと思います。ジョヴァノッティの特徴は、DJらしいヒップ・ホップのスタイルとボブ・マーレーに影響を受けたというメローなメロディー・ラインを持つヴォーカル曲が両立していることでしょう。初期は英語で歌うことで英BBCや米MTVにもアプローチしています。またバック・メンバーにキース・エマーソンやビリー・プレストン、メンフィス・ホーンズなど英米勢に、イタリアのルカ・カルボーニやリッキー・ベッローニなど様々なミュージシャンと共演しているのも彼ならではでしょう。 本作はベスト盤やリミックス盤を含む10枚目のアルバムで、大変完成度の高い作品に仕上がっています。得意のサンプリングでは、今回はエウジェニオ・フィナルディの「EXTRATERRESTRE」が使われています。特に「歌物」としての度合が強いラップは聴いていて結構なごめます。「ラップやヒップ・ホップはダメ」という方も騙されたと思って一度聴いてみて下さい。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE