LOCANDA DELLE FATE



LOCANDA DELLE FATE / HOMO HOMINI LUPUS : VM2000 (VMCD 066) 1999

WAIT!!  ピエモンテ州出身のロカンダ・デッレ・ファーテは、イタリアだけでなく世界的にプログレッシヴ・ロックが衰退した1977年に結成され、ヴァンゲリスの弟のニコ・パパサナシューのプロデュースのもとファースト・アルバム『妖精』を発表しました。ツイン・ギターとツイン・キーボードが織り成すアルバムの完成度はとても言葉ではあらわせないほどのもので、その哀愁のメロディーと相まってイタリアン・ロックの基本とまで言われています。翌78年には若干ポップになったシングル「ニュー・ヨーク」を発表しますが、その時点でキーボードのオスカル・マッゾーリオとヴォーカルのレオナルド・サッソが抜けて5人組となっています。その後80年にラ・ロカンダ名義で「ANNALISA」なるシングルを1枚発表していますが、メンバーはミケーレ・コスタ(キーボード)、エツィオ・ヴェヴェイ(ギター)、ルチアーノ・ボエロ(ベース)が中心となっており、リーダーでギタリストだったアルベルト・ガヴィーリオはソロ活動に入り81年にアルバム『QUALCOSA RESTERA'』を発表しています。 さて、昨今の再結成ブームにあやかって再編された新生ロカンダ・デッレ・ファーテですが、聴いてびっくり、ファーストをしのぐ勢いを持った最高の仕上がりになっています。メンバーはアルベルトとエツィオのツイン・ギターに、オスカル・マッゾーリオが返り咲き、ルチアーノとジョルジョ・ガルディーノ(ドラム)といったオリジナル・ロカンダ・デッレ・ファーテの7人のうちなんと5人が集結、タイムラグを感じさせない息の合った演奏を聴くことが出来ます。90年代という時代性とメンバーの年齢がかもし出す無理のないアコースティックなサウンドに、サンレモ・ポップスに通じるメロディアスな曲調は「なごみ系プログレ」として新しいジャンルを確立しそうです。イエスやジェネシスの影響下にあるサウンドには間違いないのですが、田園風景を想像してしまうほどゆったりと時が過ぎて行く音楽です。生真面目なプログレ・ポップスに、私は完全にはまってしまいました。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE