CLAUDIO LOLLI / VIAGGIO IN ITALIA : HOBO (492536 2) 1998
1950年ボローニャ生まれのクラウディオ・ロッリは、70年代の典型的なカンタウトーレの一人ですが、内気で疑い深くて憂鬱さと淋しさと悲しさの雰囲気を持っており、その時代の悲観主義や失望を音楽で表現することを得意としていました。早い話が”根暗な”歌手だったわけです。まず72年に生ギターの弾き語りにヴァイオリンが絡むシンプルなフォーク調のアルバム『ASPETTANDO GODOT』でデビュー、とりわけ”生”への深い絶望を歌ったセカンド『UN UOMO IN CRISI』(73年)は当時の若者に支持されています。76年に初めてのツアーをした後から、ようやく野心的で熟したアーティストとなり、音楽の方向性やカンタウトーレとしての自覚が出て来ています。 さて本作は私の知る限り11枚目のアルバムとなり、半分が新曲で残り半分が昔の曲の再録音で構成されているようです。92年に『NOVE PEZZI FACILI』というベスト盤を出していますが、それとは2曲しか重複しておらず、新しい気持ちで聴くことが出来ます。まず注目すべきは70年代の曲も含めて明るいアレンジに変わっていることでしょう。ジャケットとタイトルだけで判断してしまうと、イタリアの旅を題材とした単なるコンセプト・アルバムのように見えてしまいますが、その中に隠れている彼の並々ならぬ自国への愛情が大きなテーマのような気がしてなりません。新曲は兄弟であるパオロ・カポダクアとの共作で、フランチェスコ・グッチーニとの共作である「KEATON」も収録されています。プロデュースとアレンジは自らもカンタウトーレであるミンモ・ロカシュッリが担当しています。ボローニャで活躍するルーチョ・ダッラ、スターディオなどとボローニャ・コネクションが出来ており、今後益々の活躍が期待出来ます。地味な歌手ですが、ほのぼのとさせてくれる魅力があります。