ANNA OXA



ANNA OXA / HO UN SOGNO : COLUMBIA (COL 5110552) 2003

WAIT!!イタリアの女王、物悲しくも意欲作!

 アンナ・オクサの2年ぶり22枚目となる新作が届きました。2003年度のサンレモ音楽祭出場曲「CAMBIERO'」を引っさげてのリリースですが、珍しく今回のサンレモ音楽祭では14位という不本意な結果に終わってしまいました。アルバム自体も地味なのかと思いきや、とんでもない作品を発表してくれました。というのも、「CANBIERO'」では熟女によるジャズ・ヴォーカルとしてのアンナに期待させてくれる仕上がりになっていましたが、アルバムは全体的に地中海音楽、アラブ音楽のエッセンスがちりばめられており、今までにはなかったアプローチを聴くことが出来るのです。本来ならば、この音楽指向は永遠のライバルであるアントネッラ・ルッジェーロが得意としていたジャンルのはずであり、その聖域にとうとう踏み入れてしまったというような印象を受けました。しかし、宙を舞うようなアントネッラの声とは対照的なアンナのヴォーカルは、やはり別格です。

 本作はここ最近の押せ押せムードだったアンナとは明らかにベクトルの違う作品となっており、曲も一段と難しいものになっているため、アンナの力量が問われそうです。曲によってはストリングス・セクションも導入され、究極のバラード「GIOVANNI」、「FIGLIO」と続く流れは、ちょっとドキリとさせられます。彼女の人生のさまざまな冒険を物語としたアルバム・コンセプトということですが、曲調だけで判断すれば相当山あり谷ありといった人生だったのでしょうか。私個人としては10曲目に収録された「LA MIA COSCIENZA」が、バッティアートやブルー・ヴァーティゴっぽくて、珍しく突き抜けたようなポップスとなっており大好きです。本作は、2年前のベスト盤『COLLEZIONE』から一緒だったマルコ・ファラジアーニがプロデューサーとなっており、前述のストリングスの他になんとアントネッラ・ルッジェーロとロベルト・コロンボの息子であるルカ・コロンボをギタリストとして迎えています。何か今までとは違ったこのアプローチ、アンナの意図するところは一体何なのでしょうか? 世界中の子供たちへと捧げられた本作は、どこか物悲しさで一杯です。



ANNA OXA / L'ETERNO MOVIMENTO : EXTENSIONE (EXT 501927 2) 2001

WAIT!!現代のイタリアの女王、余裕の新作!

 説明不要の大御所、アンナ・オクサの21枚目のアルバムが到着しました。 40才とは思えない美貌を持つ熟女というイメージがありますが、本作では「熟した」というよりは「枯れた」という感じがぴったりのアルバムとなっています。 「枯れた」というのは才能が無くなったというわけではなく、あくまでも「脂ぎったにぎにぎしさが無くなった」という意味ですが、今まではどちらかというと最新の音楽事情をキャッチした音作りが先行して来たのに対し、本作では80年代のアンナに戻ったという印象を受けます。 落ち着いた曲が多いという指摘も受けそうですが、それよりはやはり「余分な枝を削ぎ落とした」という感じでしょうか。WAIT!!

 今回は前作より明らかに曲のグレードが高く、聴いていて気持ち良くさせてくれます。 特にミドルテンポ〜バラードには生のストリングスも施されており、さながらサンレモ・ミュージックの王道としての趣きも感じられます。 アントネッラ・ルッジェーロもびっくりの「CONTROVENTO」やサンレモ音楽祭出場曲であるタイトル曲、まるでジャンルーカ・グリニャーニのような「NOTTE D'IMMAGINI」では涙が出ます。 名スティック奏者であるトニー・レヴィンの参加も、地味ながら素晴らしいグルーヴを出してくれています。 最後は自身のデビュー曲「UN'EMOZIONE DA POCO」で、一区切り付けての再出発を誓っているのでしょうか。 ますます今後の活動が楽しみになりました。



ANNA OXA / SENZA PIETA' : COLUMBIA (COL 489819 2) 1999

WAIT!!  1961年4月28日バーリ出身のアンナ・オクサは、地元バーリ出身の母とアルバニア人の父との間の8人兄弟の末っ子として生まれました。彼女がピアノ・バーで歌い始めた時にはすでに大人の声を持っており、エラ・フィッツジェラルド、アレサ・フランクリン、スティーヴィー・ワンダー、ミーナダッラバリョーニなどをレパートリーとしていました。15才の時地元の小さなレーベルから「FIORELLIN DEL PRATO」でデビューを果たしますが、それがRCAの目にとまりスカウトされローマに移ります。彼女の成功はまたたく間にやって来ました。78年のサンレモ音楽祭に「UN'EMOZIONE DA POCO」で出場し、2位に入賞する快挙をなし遂げたのです。フォッサーティの手によるこの曲は、ディスコとロックを巧みに掛け合わせたダイナミックな曲調でアンナの声にぴったりでした。同年ファースト『OXANNA』を発売し、これまでにベスト盤を入れて20枚ほどのアルバムを発表しています。 本作はオリジナルとしては96年の『ANNA NON SI LASCIA』以来のアルバムとなりますが、最高傑作と言い切っても良いほどの力作となっています。10年来のパートナー(現夫)である元ニュー・トロルスのジャンニ・ベッレーノの手による7曲と、その地位を狙うプロデューサーのフィオ・ザノッティとの強力な戦いが、作品レベルを今までよりいっそう高いテンションへと導いてくれています。音楽を作る側の人間ならば、一度はこうして命がけで作品を作ってみたいものです。今年(99年)のサンレモ音楽祭で単独初優勝を遂げた「SENZA PIETA'」は、デビュー以来のアンナの音楽の集大成ともいうべき素晴らしい地中海ダンス・チューンに仕上がっています。アルバム・ラストにはさりげなくプエルト・リコ人のチャヤンとのデュエットが収録されていますが、85年にルイス・ミゲルがサンレモ音楽祭で2位に入賞するという大活躍があり、それ以上という声もある今後世界中で活躍が期待されている注目株です。



ANNA OXA / LOVE SONGS : COLUMBIA (COL 487903 2) 1997

NOW LOADING!!  私のアイドル、アンナ・オクサの編集盤です。ソニー・ミュージック・グループは96年頃から世界中のアーティストの編集盤をシリーズ化して出し続けていますが、最近イタリアものも多く見掛けるようになり、個人的には嬉しく思っています。97年はアンナの正式ベスト盤『STORIE』が出されたばかりですが、こちらはいわゆるカタログ・セクション(スペシャル・マーケティング)で企画されたものなので、選曲も違っています。『ラヴ・ソングス』と題されているように、アンナの名曲の中から印象的な曲を中心に16曲収録されています。83年の「SENZA DI ME」(ムーヴィング・ピクチャーズの「WHAT ABOUT ME」のカヴァー)から、ニュー・トロルスが全面参加した89年のアルバムからタイトル曲の「TUTTI I BRIVIDI DEL MONDO」、93年のリレコの名盤『DODIPETTO』からの「ANCORA」、93・94年と連続で出した『CANTAUTORI』シリーズからクラウディオ・バリョーニルーチョ・バッティスティ、ニーノ・ブォノコーレのカヴァー曲など聴きどころ満載です。ベスト盤『STORIE』と重複する曲もありますが、是非2枚とも持っていて欲しいアルバムです。



ANNA OXA / STORIE : COLUMBIA (COL 487269 2) 1997

NOW LOADING!!  アンナ・オクサは実にセクシーな声・歌い方・ルックスを持っています。78年頃から歌っているので20年以上も歌手を続けていることになり、年齢を感じさせないルックスにはただ恐れ入るばかりです。そのアンナの今年のサンレモ音楽祭参加曲「STORIE」を含むベスト・アルバムです。89年で共演して以来の良き音楽パートナー、そして現夫である元ニュー・トロルスのジャンニ・ベッレーノが手掛けた曲を中心に、マリオ・ラヴェッツィのプロデュースした88年の名盤『FANTASTICA』からはなんと7曲も収められており、よっぽど気に入っていたんだなと妙に納得したりしてしまいました。しかし残念なのは、そのどれもが単にリミックスされているだけということです。もう少し手を加えるなどして息を吹き込んで欲しかったと思います。アンナの魅力にもう少し堪能されたい方には93年のベスト・アルバム『DODIPETTO』がお薦めです。こちらは全曲再録による最新のアレンジで楽しめます。それにしてもこの美しさはどうやって作られたのでしょう。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE