MAURO PAGANI



MAURO PAGANI / DOMANI : NUN (NUN 0149192) 2003

WAIT!!遂に発表されたイタリアの生きる遺産!

 マウロ・パガーニの1991年の『PASSA LA BELLEZZA』以来12年ぶりのオリジナル・アルバムが発表されました。その間にマウロはファブリツィオ・デ・アンドレのツアーに同行してライヴ・アルバムをプロデュースしたり、『PUERTO ESCONDIDO』や『NIRVANA』などの映画音楽を担当したり、インダコなる地中海音楽のプロジェクトに参加したりといった活動が伝わって来ました。また、2000年代に入ると、マッシーモ・ラニエリの『OGGI O DIMANE』(2001年)やロベルト・ヴェッキオーニの『IL LANCIATORE DI COLTELLI』(2002年)、そしてオルタナ系レゲエ・ロック・バンドのアルマメグレッタの『VENITE VENITE』(2002年)のプロデュースをするなど、次第にその姿を頻繁に見かけるようになっていたので、次はソロ・アルバムの登場かと期待していたところでした。

 本作はマウロの作品として初めてヴァイオリンを弾かないアルバムとなっており、プログレ・ファンはがっかりすることでしょう。しかしながら、ここ最近の彼のプロデュース作品を聴いていて分かるのは、歌心を大切にしたサウンドの組み立てということと、PFMの最初期の頃からずっとヴォーカルをとって来たマウロにとって、そろそろヴォーカリストとしても認知してもらいたいという意識もあったことでしょう。現代地中海音楽研究の第一人者としてPFMのフランコ・ムッシーダと並び様々なプロジェクトへ参加して来たマウロですが、本作は『PASSA LA BELLEZZA』でも共作していたマッシモ・ブーボラから影響を受けたブルース色がほどよく出ており、また多少ハードな面を見せる曲ではリガーブエやアルマメグレッタのメンバーも参加して大いに盛り上げています。かなり意識的に“変わった”という印象を与える作品ですが、今後のマウロの行く方向は果たしてどういったものなのでしょうか。



MAURO PAGANI / NIRVANA (ORIGINAL SOUNDTRACK) : SAN ISIDRO (534 558-2) 1997

NOW LOADING!!  PFMの10年ぶりの復活に沸いていたら、今度はPFMのオリジナル・メンバーであるヴァイオリニスト、マウロ・パガーニの新作が到着しました。今回は映画「ニルヴァーナ」のサントラ盤で、ジャケットを見る限りでは近未来的アクション・サスペンスものなのでしょうか。音楽を聴くと「カリブの熱い夜」を彷彿とさせます。全17曲中9曲がパガーニの作曲で、他はフェデリコ・デ・ロベルティスによるものと何故かトラフィックの作品「JOHN BARLEYCORN」が入っています。パガーニの作品は今までの彼の道程がはっきりと示された地中海サウンドになっており、よりエフェクティヴになったヴァイオリンが唸っています。パガーニの生楽器を使った地中海世界と、フェデリコの持つエレクトリカルなキーボード群との対比がうまく調和されており、単なるアルバムとしても十分に楽しめますが、最大の聞かせ所は全体のエッセンスを凝縮したような9分もの大作「CHRONOTAPE」でしょう。何はともあれ92年以来のリリースを単純に喜びましょう。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE