LAURA PAUSINI



LAURA PAUSINI / FROM THE INSIDE : CGD (0927-49733) 2003

WAIT!!イタリアの歌姫、初の英語アルバムの成果は?

 ラウラ・パウジーニ初の英語盤アルバムが発売されました。今までに何度も英語盤リリースの噂は立っていましたが、本格的に全曲英語で占められた作品ははじめてということになります。2002年に発売された前作『E RITORNO DA TE (THE BEST OF)』は、2曲の新曲と映画「メッセージ・イン・ザ・ボトル」に使われた英語曲「ONE MORE TIME」を含むベスト盤だったので、あまり新鮮な気持ちで聴けるアルバムではありませんでしたが、本作はほぼ新曲で埋めつくされた久々の新作として楽しむことが出来ます。

 本作ではおなじみのダード・パリジーニやチェルソ・ヴァッリといったイタリア国内の敏腕プロデューサーは参加しておらず、ここ数作で顔を出しはじめたKCポーター、クリスティーナ・アギレラのアレンジャーのガイ・ローク、同じくクリスティーナ・アギレラのプロデューサーのエヴァン・ロジャーズ、マドンナのプロデュースで一躍有名となったパトリック・レオナード、コアーズやミッシェル・ブランチなどで活躍しているギタリストのジョン・シャンクスなど、錚々たる顔ぶれが彼女をサポートしています。正直言って最初からラウラの世界観を期待して聴きはじめると、かなり肩すかしを食らわされます。しかし聴き進むに連れ、やはり彼女にしか出せない独特のフェロモンを感じ取ることが出来るでしょう。イタリア・オリジナル曲の英語ヴァージョンもありますが、何はともあれ英語圏での彼女の今後の活躍に期待することにして、本作はこれで良しということにしましょう。そろそろ来日というイベントがあっても良さそうだと感じているのは私だけでしょうか..。

 続報:03年6月14日付けの米ビルボード誌における「HOT DANCE MUSIC」チャートにおいて、「IF THAT'S LOVE (REMIXES)」が堂々の1位に輝きました!



LAURA PAUSINI / E RITORNO DA TE (THE BEST OF) : CGD (AMCE-10004) 2001

WAIT!!  ラウラ・パウジーニのベスト盤です。以前にも初期の曲を集めたベスト盤がありましたが、本作は満を持しての登場といった充実の内容です。新曲「E RITORNO DA TE」の重苦しいバラードで幕を明けますが、デビュー作から発表順に曲が並んでおり、セカンドの『LAURA』までの代表曲4曲は新録音ヴァージョンとなっています。スペイン語ヴァージョンや映画『メッセージ・イン・ア・ボトル』で使われた「ONE MORE TIME」もしっかりと収録してあり、とりあえず現在までの“ベスト”と呼ぶに相応しい内容となっています。日本盤の解説は「新録」部分が理解出来ていないようなので、過去最低の論評となっていますのでご注意を。いずれにせよ、ルックス、気品、歌声のどれを取っても90年代を代表するイタリアン・ポップス・クイーンだといい切ってしまって良いでしょう。



LAURA PAUSINI / TRE TE E IL MARE : EW (AMCE-7194) 2000

WAIT!!ついに登場した最高傑作!

 ラウラ・パウジーニの通算5枚目のアルバムが届きました。 同じ90年代初頭にデビューした若手女性歌手たちの中でも、ジョルジアイレーネ・グランディの方が単純に歌が上手いという理由からラウラよりもはるかに聴き込んで来ましたが、本作の完成度をもってようやくラウラも私が思うところの「イタリアのスターらしい」実力を見せてくれたと実感しました。 かと言って、手放しで歌が上手いとは全然思いませんが..。 ラウラの良いところは、逆につっけんどんに声を出すところではないかとも思い始めています。

 今回はサンタナのプロデュースで有名なKCポーター、セリーヌ・ディオンやバック・ストリート・ボーイズなどに曲を提供しているアンドレアス・カールソンの書き下ろし、マイケル・ランドーやリー・スクラーなどアメリカ勢の参加が目立ちますが、なんと言ってもダード・パリジーニやチェルソ・ヴァッリといった超強力なアレンジャーたちのバックアップなしにはこのクォリティは出せなかったでしょう。

WAIT!! 本作で楽曲のレベルとラウラ自身のレベルが同じところまで達したようで、今までの作品では「曲はいいけど歌がついて行かない」箇所が多く見受けられましたが、本作では演奏をぐいぐい引っ張りあげる力量をひしひしと感じさせてくれ、冒頭の「SIAMO NOI」や7曲目の「ANCHE SE NON MI VOUI」では涙さえ誘ってくれました。 同時発売のスペイン語盤にも同じ英語で歌われている「THE EXTRA MILE」は、映画『ポケモン』のテーマ曲ということなので、世界の子供たちのアイドルとなる日も近いことでしょう。 全身をアルマーニに包まれたルックスは申し分ありませんが、髪型さえ変えればスーパー・モデルにもなれると思うのですがいかがでしょうか? 私は彼女の吸い込まれるような眼差しが好きです。 



LAURA PAUSINI / LA MIA RISPOSTA : CGD (AMCE-2952) 1998

NOW LOADING!!  ラウラ・パウジーニの2年ぶりの4枚目です。ここ久しく”待望”と言われるアルバムは無かったように思えますが、イーストウェストのリリース予定にはいつも載っていたのに、本当にようやく発売されたという感じです。まず注目すべきは大人になって堂々としたその外見でしょう。ついこの間まで少女のあどけなさを持っていた彼女ですが、今回はアルマーニの衣装と相まって別人のように完成された女性像が作られています。彼女の人気を考えると、ラウラ・ファッションがはやりそうな気になります。実際イタリア以外の国のアーティストからも注目され始めており、特にデヴィッド・フォスターがアニメ映画『キャメロット』のサントラ盤でセリーヌ・ディオンやザ・コアーズと共にアンドレア・ボチェッリを起用したことが話題になりましたが、そのデヴィッドがバーブラ・ストライザンドの結婚式にラウラを招待して何曲か歌わせたというニュースは、いよいよイタリアン・ポップスもメジャーになるかと期待しているところです。本作にはデヴィッドとのコラボレーションはありませんが、しっかりと「スペシャル・サンクス」として彼の名前がクレジットされていますので、今後の展開に期待大です。デヴィッドより一足早くフィル・コリンズが楽曲を提供していますが、フィルの初期にあった気だるさが良く出ており、さらにメロディーの持つ強さもぴか一で、個人的にはアルバム中一番気に入っています。本心を言えば、スタッフ・ワークにかなり守られた作りになっているのがとても残念で、そろそろ一流のヴォーカリストへの勝負に出て欲しかったと思います。



LAURA PAUSINI / LAURA PAUSINI : CGD (AMCE-2209) 1995

NOW LOADING!!  ラウラ・パウジーニは1974年5月16日に北イタリアのソラローロで生まれました。父親の影響で歌やピアノ、フルートなどを習っていましたが、12才の時には歌手になる決意をしています。91年に新人歌手発掘のコンテストである「カストロカーロ」に出場し、レコード会社との契約に漕ぎ着けました。93年のサンレモ音楽祭に「LA SOLITUDINE」で出場しデビュー、最優秀新人賞を獲得しています。サンレモ音楽祭で新人賞を受賞したアーティストは、自動的に翌年の音楽祭での「スター部門」への出場権を獲得出来、ラウラは「STRANI AMORI」で出場しました。さて、本作はこれら音楽祭出場曲を含むラウラの初期2枚のアルバムから選曲された徳用盤です。邦題は『ベスト・オブ』となっていますが、本来の目的はイタリアやスペイン語圏以外の国々へラウラを紹介するためのものです。英米での注目も考慮して、新たに「LA SOLITUDINE」の英語ヴァージョンが作られ収録されているのが本作のポイントです。私個人としては「GENTE」を含むセカンド・アルバムの頃の彼女の声にとても魅力を感じます。ファースト・アルバム『ローラ・パウジーニ』は、CGDレーベルがワーナーへ移籍後初の国内盤だったので、発売に際しレコード会社の担当者と動き回ったのを思い出します。「ラウラ」という語感が日本人に馴染めないと、「ローラ」に変えたのは私にも3割程責任があるかも知れません。今はクォリティの高い新作を待つことと、次は何としても日本語ヴァージョンを歌ってもらうのが夢です。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE