PREMIATA FORNERIA MARCONI


PFM / LIVE IN JAPAN 2002 : S4 (5051062) 2002

WAIT!!遂に登場した奇跡の記憶!

 2002年最大の話題といえば、間違いなくこのPFMの27年ぶりの来日公演でしょう。本作は5日間に渡る公演の最終日にあたる5月12日(日)の川崎クラブチッタでの演奏がほぼまるごと全て収録されています。彼らにインタビューした際に今回のセット・リストについて尋ねたところ、日本のためにプログレッシヴな曲を中心に並べたというサービス精神が嬉しかったのですが、まさにイタリアン・ロックの集大成ともいえる大満足の内容となっています。PFMは90年代の復活後にも『WWW.PFMPFM.IT』という2枚組のライヴ・アルバムを発表していますが、その時の曲目とかなり重複するものの、演奏に対するモチベーションは今回のアルバムの方が明らかに高いことが一聴して分かります。それは、27年ぶりという日本への思い入れの深さと、どれだけメンバーたちがこの再来日を楽しみにしていたかということだと思います。2001年のイタリア・ツアーのセット・リストを見ていて、「RIVER OF LIFE」や「CHOCOLATE KINGS」などをやっていたので期待はしていましたが、今回は「PROMENADE THE PUZZLE」という珍しい曲も披露してくれ、おそらく当日会場に足を運んだ全てのファンを魅了したことでしょう。収録当日は「LA LUNA NUOVA」が中間とアンコールとで2回演奏されましたが、本作にはアンコールの完全燃焼ヴァージョンが収録されています。

 さらに本作には魅力的な2曲の新曲が収められています。ひとつは、なんと元ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイターのピーター・ハミルのヴォーカルをフィーチャーしたオリジナル曲「SEA OF MEMORY」で、もうひとつはフランコ・バッティアートの81年のアルバム『LA VOCE DEL PADRONE』に収録されていた「BANDIERA BIANCA」です。この選曲はおそらくバッティアートがPFMの「IMPRESSIONI DI SETTEMBRE」をカヴァーしたため、そのお返しと考えても良いのではないでしょうか。とにもかくにも、あのPFMがこうして今もバリバリ現役で活躍してくれているのが、我々おじさん軍団にとっては大いなる勇気となることに違いはありません。

 国内盤はポニー・キャニオンより2月5日に発売され、解説は私が書かせていただきました。



PFM / SERENDIPITY : S4 (798901 2) 2000

WAIT!! 遂に登場! 復活第2弾。

 イタリアン・プログレッシヴ・ロックの雄、PFMの3年ぶりのオリジナル・アルバムが届きました。 前作『ULISSE』を発表後、60本にも及ぶイタリア国内ツアーを敢行し、98年には『WWW.PFMPFM.IT (IL BEST) 』と題した2枚組ライヴ・アルバムを発表していますので、そんなに長い間待たされたというような感じはありません。 (なんといっても、その前に10年も待たされたんですから) 今回はアレッサンドロ・コロンビーニのもとを離れ、トリデント・エージェンシーに籍をおき、わりと自由な発想でスタッフィングされています。 まず注目したいのが、プロデュースにコッラード・ルスティーチを立てていることで、ズッケロクラウディオ・バリョーニといった骨太のサウンド指向のアーティストたちと同様のクォリティを目指したことが分かります。 PFM自身でもセルフ・プロデュースは出来るのでしょうが、中立の立場で音楽をジャッジしてくれる人がいる方が、遥かに楽だったのでしょう。 ただし、それが必ずしもPFMにとって良い方向に働いたかどうかは疑問です。

 本作では作詞陣も充実しており、アヴァンギャルド・ロッカーのダニエーレ・シルヴェストリ、説明不要のフランコ・バッティアート、後期のルーチョ・バッティスティの片腕として君臨していたパスクアーレ・パネッラなど、イタリア語がすぐに理解出来たなら楽しめそうな面々です。 肝心の楽曲の出来は、『ULISSE』と比べると「可も無く、不可も無く」といったところでしょうか。 1曲目は初期ELO、2曲目でシングル曲はビートルズの「トゥモロー・ネバー・ノウズ」をコピーしたフィル・コリンズのようなアレンジ、4曲目はベンチャーズの「パイプライン」そのままのフレーズを踏襲、7曲目ではバリョーニのアルバム『VIAGGIATORE SULLA CODA DEL TEMPO』のイントロのSEがそのまま使われていたり、8曲目のタイトルがずばり「どうも、どうぞ」という日本語をもじった曲で、曲の端々に「ありがとう」「さよなら」も登場しています。 最後の「EXIT」では、PFMをバックにコッラードお得意の速弾きギター・ソロが披露されていますが、正直言ってこのくらいフランコ・ムッシーダは余裕で弾けるでしょうから、コッラードに印税を渡すためのサービス曲ということでしょうか。

 PFMが70年代に世界的な成功を収めていなかったならば、イタリアン・ロックはもっとマニア向けの音楽としてしか聴かれなかったことでしょう。 だから今後も、彼らの行動には注目していく必要があり、その必要性を大いに感じさせてくれる作品です。



PFM / PIECES FROM MANTICORE (THE BEST OF...) : VICTOR (VICP-60975) 2000

WAIT!! PFMのマンティコア・レーベル時代のベスト盤が作られました。 99年の8月に「20bit Digital K2 オリジナル・ジャケット・コレクション」として発売された、PFMの4枚の売れ行きがすこぶる良かったため、レコード会社側からファンへのプレゼントとして計画されたもので、これまでにイタリア盤としてPFMのベスト盤は数種類発売されていましたが、今回は初の日本制作ならびにマンティコア時代のみで編成された、まさに究極のベスト盤となっています。 未発表曲こそありませんが、マンティコア時代の『幻の映像』、『甦る世界』、『クック』、『チョコレート・キングス』、『ジェット・ラグ』といった5枚の名盤からの名演ばかりを収め、さらに人気の高い『甦る世界』からはライヴ・ヴァージョンを含めほぼ全曲を収録しているのが売りでしょう。 冒頭から押し寄せてくる怒濤の4曲は超有名曲ばかりですが、最後の「セレブレイション」のライヴから「マウンテン」に至る頃には、PFMのプログレッシヴな世界から抜け出れなくなりそうです。 日本に「イタリアのロック」を知らしめた、この偉大なバンドの足跡を味わうことの出来る絶好のベスト盤です。



PFM / A CELEBRATION LIVE : SNAPPER (SMD CD 130) 1998

NOW LOADING!! イギリス編集によるPFMの2枚組ライヴ・アルバムです。音源は全て『アブソルートリー・ライヴ』(イタリアでは『10 ANNI LIVE』のタイトル)からのものですが、4枚組だったものが半分になっただけで、こうも聴きやすくなるのかと感心させられました。特に選曲においてベルナルド・ランゼッティの居た"チョコレート・キングス・ツアー"、"ジェット・ラグ・ツアー"での曲が多く収録されているところに、イギリス人も日本人に近い感性を持っているんだなと思わせてくれます。この手の年代を追ったクロニクル・ライヴ盤は極端に音質の違うものや、同じ曲を何度も入れて聴き比べをさせたりするものが多いのですが、本作は重複しているのは「フォー・ホールズ・イン・ザ・グラウンド」だけで、曲間の拍手も巧みに繋げてあり、まるで最初からこの2枚組が作られたような錯覚になります。曲の流れもスムーズで、わざわざ4枚組ボックスを引っ張り出さなくても済む利便性に本作の価値を見出すことが出来るでしょう。巷では大体2500円程度で購入出来ますので、4枚組ボックスは日本盤が8000円でイタリア盤も6000円位することを考えると、手頃な値段設定だと言えます。特にPFMのライヴ初心者にはお薦めです。



PFM / WWW.PFMPFM.IT (IL BEST) : RTI (RTI 92002) 1998

NOW LOADING!! PFMの2枚組最新ライヴ・アルバムです。10年振りのオリジナル・アルバム「ULISSE」は”再結成”という話題性以上に充実した素晴らしい内容でしたが、その興奮も冷めぬ間にベスト選曲によるツアーから全曲を収めたライヴ盤の登場です。選曲は初期の代表曲である「ハンスの馬車」「九月の情景」「セレブレイション」「晩餐会」は当然として、「OUT OF A ROUNDABOUT」「SUONARE SUONARE」「MAESTRO DELLA VOCE」あたりまでカバーし、「ULISSE」からも4曲、さらにデ・アンドレとの共演盤で好評だった「IL PESCATORE」まで演奏するというサービスぶりです。PFMはほとんどの日本のファンが遠ざかった後の80年代にもライヴ・アルバムを発表していますが、私でさえ首を傾げるほどのお粗末なものでした。今回もその時の印象と年齢的なものがネックになっているのではと、恐る恐る聴き始めましたが、中々力のこもったパワフルな演奏で安心しました。やはり80年代のポップな曲は辛いようでしたが、最近の曲や何百回も演奏した昔の曲などは、往年の感じを取り戻しています。それは多分にキーボードがフラヴィオ・プレモリに戻っていることが影響していると思われます。さらにPFMの真骨頂とも言えるインプロヴィゼーション曲「ALTALOMA'98」でのムッシーダのギターは圧巻です。アルバム・タイトルはそのままウェブ・サイトに繋がっていますので、新しい形のメディア・ミックスが楽しめます。



PFM / ULISSE : RTI (RTI 1146-2) 1997

NOW LOADING!!  PFMのなんと10年ぶりの新譜です。PFMといえばもう説明の必要も無いと思いますが、イタリアのプログレッシヴ・ロック界を代表するバンドというよりも、世界に対して英米だけがプログレじゃないという証拠を提示した初めてのヨーロッパ・バンドだと言えます。メンバーは以下の通りで肝心の内容ですが、ゲストのリッキー・トナッツィの語りから全員の演奏につながる2曲目までの流れはまさに勇者の風格。誰もがPFMの復活に歓喜の雄叫びをあげることでしょう。3曲目以降やはりポップな曲が並んで行きます。久しぶりに聴くチョッチョ、ムッシーダ、プレモリ(!)の歌声はさすがに年齢を感じずにはいられませんが、むしろ歌物として昔よりも落ち着いて聴くことが出来るのは、皮肉と言うべきでしょうか。前作「ミス・ベイカー」と比べても決してテクニカルとは言えない曲調ですが、やはりプレモリの弾くピアノの旋律は懐かしさが込み上げます。プログレではありませんが、その分いままでPFMを食わず嫌いだった方に胸を張ってお薦めできる好盤と言えるでしょう。



PFM / ABSOLUTELY LIVE 1971-1978 : KING RECORDS (KICP 2829-2832) 1996

NOW LOADING!!  イタリアン・プログレの代表選手、PFM。世界規模で見ても全員がこれほど超絶技巧を持ったバンドは見当たらない程。彼等の真価は正しくライヴ・パフォーマンスにありました。その彼等の最も油ののった頃のライヴが堪能出来る4枚組のアルバムです。特筆すべきはやはりデビュー・アルバム以前のライヴ音源の初収録でしょう。何とあのキング・クリムゾンの名曲「21世紀の精神異常者」やジェスロ・タルのカヴァーをしているのです。又、PFMの名盤として名高いライヴ・アルバム「LIVE IN USA」の頃の未発表テイクが満載され、興奮しっぱなしの4時間です。国内盤が先行発売され後からイタリア盤が出されましたが、ほんの少しだけ曲目が違う様です。カラー写真を使ったイタリア盤のブックレットも魅力ですが、解説の訳が入った国内盤をお薦めします。4枚を別のジャケットでバラバラに発売してもいますが、同じ内容なので要注意です。



ITALIAN ARTIST CHRONICLE