SILVIA SALEMI / PATHOS : BMG (74321 56740 2) 1998
1978年4月2日シラクサ生まれのシルヴィア・サレーミは、10代半ばからコンクールに出たりピアノ・バーで歌うなどの経験を積み、ホット・スタッフなるローカル・バンドでのヴォーカルを経て、95年のカストロカーロ・コンテストに優勝します。翌年サンレモ音楽祭に「QUANDO IL CUORE」で出場しアルバム『SILVIA SALEMI』を発表しますが、この頃は髪も長くまだアイドル歌手といった出で立ちでした。続く97年も「A CASA DI LUCA」で出場しアルバム『CAOTICA』を発表しますが、尼僧よろしくG.I.ジェーン化した髪型でど肝を抜いてくれました。時を同じくしてジョルジアも髪を切っており、イタリアでは他にロザリンダが思い付きます。また同年”夏のディスク・フェスティヴァル”に「STAI CON ME STANOTTE」で出場し2位に入賞しています。 さて本作は98年のサンレモ音楽祭(3年連続!)出場曲「PATHOS」を含む早くも3枚目のアルバムになりますが、異様なまでに充実した作品となっています。それはひとえにデビューからずっと作曲・プロデュースを担当して来たジャンピエロ・アルテジャーニの努力の賜物だと思われます。ジャンピエロはセミラミスを経てソロ・デビューした後も、ミケーレ・ザリッロとともにイタリアン・ポップス・シーンで活躍して来た強者で、自らもサンレモ音楽祭に出場したりマッシーモ・ラニエリに書いた「PERDERE L'AMORE」で優勝の経験もあります。あまり表に出てこないジャンピエロですが本作ではシルヴィアに対する愛情でいっぱいで、あえて自分は楽器を持たずに他人に任せているところなど、アンナ・オクサのプロデュースに燃える元ニュー・トロルスのジャンニ・ベッレーノをほうふつとさせてくれます。ジョルジアを優しくしたような声と、ほんのりとした地中海風のエッセンスが心地よい上質のアルバムだと言えます。