LINA SASTRI / LINA SASTRI : FONIT CETRA (CDM 2061) 1989
2002年4月に初来日を果たした歌姫リーナ・サストリは、1953年にナポリで生まれました。修道院付属の女学校で初めて学校劇というものに触れましたが、卒業後偶然入った街角の芝居小屋で演劇に出会い、女優の道に進むことを決心します。両親の反対にあいながらも独学で演技について学び、1976年にアルマンド・プリエーゼ演出による「マザニエッロ」で初めて本格的な舞台デビューを果たします。翌77年にはTVドラマ「最後の3日間」に出演、そしてパトローニ・グリッフィ演出の舞台「片意地をはる女たち」が彼女の正式な劇場への出演となりました。続くグリッフィ演出のピランデッロの戯曲「一人のものか、誰のものでもないか」でも主役を務め、フェッレーロ演出の「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」ではイタリア批評家連盟から選ばれてUBU賞を受賞します。その後も多くの舞台やTV番組に出演し、1983年には再びグリッフィと組んで「作者を探す6人の登場人物」に出演し、イタリア演劇界最高峰の“クルチョ賞”で主演女優賞を受賞しました。 やがて映画にも出演するようになり、特にアカデミー賞やモントリオール映画祭の正式参加作品となった「ピコーネのよこした使い」では、1984年度のイタリア映画界のアカデミー賞ともいうべき“ダヴィド・ディ・ドナテッロ賞”の主演女優賞をはじめ、批評家賞である“シルバー・リボン賞”やヨーロッパのジャーナリストたちが選ぶ“シルバー・マスク(銀の仮面)賞”など、主だった賞を総ナメにし、彼女の知名度を一気に引き上げました。ジュゼッペ・ベルトルッチ監督の「女テロリストの秘密」と、ダミアーノ・ダミアーニ監督の「インクァイアリーノ/審問」では、“ダヴィド・ディ・ドナテッロ賞”の主演女優賞と助演女優賞をそれぞれ受賞し、まさにイタリア映画界を代表する大女優に成長しています。舞台では90〜91年、91〜92年の2シーズンにわたって出演したミュージカル「ポルタメディナの王女メディア」で、“シルバー・マスク賞“と“ゴールデン・カード”を受賞ています。 ナポリ出身のジローラモ・パンツェッタ氏によれば、リーナの歌声はまるで母親の歌う子守り歌にも似た安らぎを与えてくれる、魔法のようなものだということです。女優兼歌手といえば、バーブラ・ストライザンドやベット・ミドラーなどのハリウッド女優がすぐに浮かびますが、リーナの歌は女優の声というよりも幼い頃から親しんでいた歌をただ歌っていただけという感覚が、逆に新鮮に感じられます。本物のナポリターナの心と風をぜひ感じ取って下さい。
愛の歌を引っさげて来日が実現!
歌手としては、1989年に伝統的なナポリ民謡を歌った本作『リーナ・サストリ』でデビューを飾り、続く2枚目の『マルッゼッラ』ではコンサートで必ず歌われるナポリターナを集め、聴き手の魂を揺さぶるような情熱的な歌唱を披露しています。そして、大成功を収めたニューヨークのブロードウェイでのリサイタルを収録した3枚目のアルバム『ライブ・オン・ブロードウェイ』も発売、2000年には20世紀のイタリアを代表する詩を選んで、ヴィットリオ・ガスマンと共にアルバム『フェスタ』をリリースしました。また、レイ・チャールズやロベルト・ムーロロ、ジェシー・ノーマンといった、国際的に活躍している歌手たちとも共演しています。