VASCO ROSSI / REWIND : EMI (5 20415 2) 1999
VASCO ROSSI / CANZONI PER ME : EMI (7243 4 94991 0 2) 1998
ヴァスコ・ロッシの最新ライヴ・アルバムです。98年の最新オリジナル・アルバム『CANZONI PER ME』の最後の曲から本ライヴ盤のタイトルを持って来ていることからも分かるように、昨年行われた大規模なツアーの中から収録されています。収録日は98年6月30日でイーモラのエンツォ・フェラーリ・サーキットでのパフォーマンスで、会場の規模と写真を見る限りでは少なく見積もっても10万人は下らない集客数だったのでしょう。彼の人気のほどがうかがえます。2枚組のヴォリュームいっぱいに広がるヴァスコの”ロック魂”は圧巻で、93年から参加しているアメリカ人ギタリストのステフ・バーンズのハードなギター・テクニックが、聞き手をぐいぐいと引っ張ってくれます。ステフ・バーンズはセッション・ギタリストとしてデビューして以来、数々のレコーディングやライヴに参加し、近年はハード・ロック・バンドのY&Tに所属しているビンビンのロック・ギタリストです。 収録曲は全27曲中『CANZONI PER ME』から5曲、『NESSUN PERICOLO... PER TE』('96)から3曲、『GLI SPARI SOPRA』('92)から3曲、『10.7.90 SAN SIRO』('90)から3曲などまんべんなく選曲されており、デビュー・アルバムからの「JENNY E PAZZA」もしっかり演奏されています。ライヴ盤としては2作目となりますが、本作はまさに集大成の役割を果たしています。青・赤・緑・黄と4色そろったジャケットも秀逸です。(私は青を買いました。)大音響で鳴らしてスカッとしたい人に最適です。
1952年2月7日モデナのゾッカ生まれのヴァスコ・ロッシは、イタリアの"男性ロッカー"の重鎮です。デビューは77年と遅いのですが、ヴァスコは75年頃からラジオ局でDJの仕事につき、そこで知り合ったスターディオのリーダーのガエターノ・クッレーリとの関係が深かったようです。「ジェニー・エ・シルヴィア」でデビュー、78年にはファースト・アルバムを発表、ツアーに次ぐツアーでまたたく間にファンの数を増やして行きます。レコードはロマンティックで、ステージはアイロニックと評判になりました。この頃のヴァスコの音楽はシンセやメロトロンを使ったシンフォニックなものに、リズムが少しディスコがかったポップなものでした。80年代に入ると、突然ヘヴィーなサウンドに傾倒し"ロック界のドン"的な存在になります。何にでも貪欲なヴァスコは、ロックだけでなく"リミックス"にも積極的に取り組み、90年代に入ると音楽だけでなくレーシング・チーム「VASCO ROSSI RACING」のオーナーにもなっています。16枚目となる本作は、最近ではお決まりのロサンジェルスに飛んでのレコーディングで、今回のメンバーはトニー・レヴィン、ヴィニー・コライウタ、マイケル・ランドー、そして前作同様にチェルソ・ヴァーリがプロデュースとアレンジで参加しています。メンバーからも分かるように、骨太な都会派ロックに仕上がっています。とてもハンサムに撮れているジャケット写真は、ロック畑では有名なアーマンド・ギャロの手によるものです。