ZENIMA



ZENIMA / ZENIMA : BMG (74321 40866 2) 1996

WAIT!!  どこかエキゾチックな匂いを漂わせているゼニマ・グラニエーリは、1969年にドイツで生まれ、4才の時にイタリアのバーリに移住しています。彼女のルーツはアブー・ゼニマというエジプトの放浪民族であり、ゼニマは本名ですが接尾辞の”イマ”とは”慈悲深い”という意味を持っています。7才の時にクラシック・バレエを習い始めますが、その延長でヨガに目覚め、東洋文化に没頭して行きます。やがて彼女はインテリア・デザイナーとして日本の劇場や尼寺のプロジェクトにも参加するかたわら、ギターで作曲を始め、歌詞も書くようになりました。そして教会のミサで、人々がルイジ・テンコの「SERENELLA」を歌うのを聴いて震え上がったのをきっかけとして、歌手の道に進む決心をしています。最初に公の場に登場したのは、95年のサンレモ・ジョヴァンニに「BUTTERFLY」で出場した時ですが、ケイト・ブッシュにも似たその優麗な出で立ちと高音の歌声は、人々に新しいイタリア音楽の形を記憶させました。また98年のサンレモ音楽祭にマンゴーとともに出場して、「LUCE」をデュエットしたのも記憶に新しいです。

WAIT!!  さて本作は彼女のデビュー・アルバムのようですが、こんなに魅力的な要素が詰まった作品はお目にかかったことがありません。プロデュースはセレーナCと同じマッシモ・カラブレーゼ(元ボッテガ・デッラルテ)とマルコ・リナルドゥッツィのコンビなのですが、まず彼女のオリエンタルな作曲のセンスには舌をまいてしまいます。日本にも造詣が深いらしく、ヒロシマについて歌った「助けてくれ!」という日本語タイトルの曲があり、日本の子供が歌う「かごめ、かごめ」が出て来たり、ジャケットには「ナンミョウホレンゲキョウ」と書かれていたりと、いろいろ楽しめます。またクリストファー・クロスの「セイリング」やケイト・ブッシュの「少年の瞳を持った男」のカヴァーや、オーケストラの指揮にジャンフランコ・ロンバルディを起用したり、ゴブリンのファビオ・ピニャテッリがベースを弾くなど、聴きどころも満載です。 言葉では表現するのが難しいのですが、聴くたびに新しい発見をさせてくれる彼女の活動を、ずっと見守っていたい気分にさせてくれました。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE