ANGELO BRANDUARDI



ANGELO BRANDUARDI / L'INFINITAMENTE PICCOLO : EMI (5 24945 2) 2000

WAIT!!  アンジェロ・ブランドゥアルディの最新オリジナル作は、聖フランチェスコの巡礼について歌ったトータル・アルバムとなっています。 彼の近作は宗教色の濃いものが多かったのですが、その到達点のひとつと言っても良いでしょう。

 とは言え、本作で聴ける音楽は純粋なブランドゥアルディ・ミュージックであり、そういった宗教的なメロディーを彼独特のアレンジで料理しているため、歌詞の内容に関係なくどこか「中世トラッド・ロック」となっています。 個人的には2曲目のディスコ調の曲を「トラディスコ(TRAD DISCO)」と、勝手に命名してしまいました。

 本作にはいつにも増して豪華なゲストが参加しており、フランコ・バッティアートに始まり、エンニオ・モリコーネ、NCCP、ポルトガルのマドレデウスなど、彼らとのからみも聴きどころのひとつでしょう。 私自身は『MOMO』や『PANE E ROSE』などの中期の傑作群をはるかに越えた、彼の最高傑作だと断言出来ます。 ぜひ、じっくりと聴き込んで下さい。

 なんと、ピンク・フロイドの「狂ったダイアモンド」と全く同じフレーズが飛び出してビックリ!!



ANGELO BRANDUARDI / IL DITO E LA LUNA : EMI (4 95302 2) 1998

NOW LOADING!!  アンジェロ・ブランドゥアルディの4年振りのオリジナル・アルバムです。 デビュー以来ずっと大切にして来た"アコースティック"な音空間が、最大限に活かされた作品となっています。 彼の特徴であるリード楽器系の響きと、アコギとの見事な調和が楽しめます。 うっかり聴いていると、サンプリング・シンセのストリングスの音でさえふくよかな生の音に聞こえてしまいます。

 もちろん、長く彼の音楽を聴いて来た人にとってはいつもと変わらぬ音だと言えますが、どうも"映像的"感覚がいつもと違います。 86年の映画『MOMO』のサントラ盤を思い出してしまいましたが、それもそのはず、本作は『MOMO』と同じジャンフランコ・ロンバルディが久々にアレンジで参加しており、特にストリングスや白玉系にその威力を発揮しています。

 また、本当に長い間彼をサポートして来たマウリツィオ・ファブリツィオ(ギター)の名前が見当たりません。 前オリジナル作の『DOMENICA E LUNEDI』からそのツアーを収めたライヴ『CAMMINANDO CAMMINANDO』までは、確実にメンバーの中枢として活躍していましたが、そのライヴ盤を引っさげて行われた「TOUR CAMMINANDO CAMMINANDO」では既にマウリツィオの名前はありませんでした。 それがどういう理由であろうとも、本作に限って言えば不思議な充実感をかもし出しているようです。全編やさしさに包まれています。



ANGELO BRANDUARDI / FUTURO ANTICO : EMI (7243 5 66481 2 8) 1997

NOW LOADING!!  イタリアきっての吟遊詩人、アンジェロ・ブランドゥアルディの本作は久しぶりに自身のオリジナル曲の無いアルバムになっています。 内容は中世の民族音楽で、実はあまり知られていない(唄われていない)ものばかりを集めており、その神聖な響きは聴く者の心を洗い流してくれるような、そんな感覚を持ったアルバムです。

 ブランドゥアルディはオリジナル・アルバムでもかなりトラッド・ミュージックに傾倒していましたが、ヴァイオリン、ハープ、リュート、フルートなどを駆使した作りはデジタル世代にとっては逆に新しい響きを伝えてくれます。 宗教音楽ではないと記載されていますが、サイモン&ガーファンクルで有名な「スカボロー・フェアー」が取り上げられており、それが唯一耳馴染みのある曲でした。 「スカボロー・フェアー」はロバート・ジョン・ゴドフリー率いるイギリスのバンド、エニドもカヴァーしており、プログレ、ユーロ・ロック信仰者の中にもわりと浸透しているのではないでしょうか。



ANGELO BRANDUARDI / CAMMINANDO CAMMINANDO : EMI (8527502 9) 1996

NOW LOADING!!  1950年生まれのブランドゥアルディは74年のデビュー以来、民族音楽に根ざした正統派カンタウトーレとしてのオリジナル盤やサントラ、再録盤にベスト盤から英・仏等の各国語盤と、既に30枚以上のアルバムを発表している大御所です。

 本作は名作「CONCERTO」から実に16年ぶりのライヴ・アルバムですが、前作「DOMENICA E LUNEDI」発表後の94年11月から96年4月までの長期に渡るツアーから録られました。 メンバーはブランドゥアルディ込みのたった4人ですが、「CONCERTO」でも参加していたマウリツィオ・ファブリツィオを含め全員前作からの仲間である為か息の合った演奏を聞かせてくれます。

 選曲も初期5枚までの名曲を中心に前作からの4曲を含むベスト・ライヴ的展開で、スタジオ収録の新曲2曲がそれらを挟みこむ構成になっていて聞き応えは十分。 本当に長い活動歴の中で常に一貫した音楽性を紡ぎ続ける姿は感動的ですらあります。


ITALIAN ARTIST CHRONICLE